風の心

風も心も見えないけど、「ある」。それを 私なりの言葉で伝えてます

あぶらむし

植物にびっしりついてる虫のことではありません。

私がこどもの頃の、子供たちが独自に作り上げた制度のことです。

 

 

昔は小さい弟妹はお兄ちゃんやお姉ちゃんが面倒を見るのが当たり前だった。

 

でも3〜4歳の小さなこどもの面倒を見ると自分は自由に遊べない。

友達も足手まといのチビがいると楽しくない。

でも放ったらかしにすると、親に叱られる。

そんな子供たちが智恵を絞った。

 

チビも鬼ごっこなどの遊びにメンバーには入れるけど、鬼に捕まってもカウントされない。

でもチビの私は仲間にいれてもらう事が嬉しいからカウントされないことは気にならないし、理解もできてない。

兄も私を放ったらかしにしなくて済むから親に叱られることもない。

三者(親、兄、妹である私)みんなが納得する。

こうやって、仲間に入れてもらうけどカウントには入らない子のことをあぶらむしと言っていた。

由来は知らない。

 

 

お兄ちゃんたちのあそびに混ぜてもらう時に、『お前はあぶらむしね』と言われることが嬉しかった。

だって仲間にいれてもらう事がわかったから。

一緒にいられるだけで楽しかった。

 

だけど、ウザく思ってる人もいた。はず。

 

ある日、女の子(兄の同級生)が私の家で遊ぼうということになって、みんなでその女の子の家に向かった。

当然私もついていった。

チビだから最後についていった。

最後に家に入ろうとしたら、その女の子が『アンタはダメ!』と私の体を押してドアをバタンと閉められた。

 

記憶しているのはそこまで。

兄が私を迎えに来たかどうか覚えてない。

そのあとどうやって家に帰ったとか、親に何か言ったかも覚えてない。

でもドアを閉められたのはよく覚えてる。

 

あぶらむしは一緒にいるけど、独り。

本当の意味で仲間に入れてもらってない。

 

子供の頃の話しと思っていたけど

大人になった今でも、あぶらむしな自分を感じる。

 

子供の頃と違うのは

自分でその状況を作ってること。

無意識で。

 

嫌なのに

なぜか納得している状況。

それがまたモヤモヤしてる。